十干と十二支について

中国式四柱推命
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十干と十二支について

四柱推命で生年月日と生まれた時間から出す命式は、天干と地支を組み合わせた年柱、月柱、日柱、時柱からなっています。天干と天干同士、地支と地支同士、天干と地支の関係をよく見極めて推命します。この章では十干と十二支について、説明をします。

十干の種類と干関係

甲(きのえ)

「木行」の兄で「きのえ」です。陽干です。樹木など幹をしっかりと持った大きな木を表しています。木は二本で林、三本で森と、数が多いほど強さが出て良いとされます。

 

天高く伸びようとする性質から、甲はチャレンジ精神や向上心があり、勤勉で、正義感や責任感などを持つのが特徴です。一方で頑固で要領が悪く融通が利かない傾向があります。気を付けないと孤立する場合があります。また、生きていくためには根を必要とし、根が無かったり、根が少なく水が多い場合は根腐りしてしまいます。

 

乙(きのと)

「木行」の弟で「きのと」です。陰干です。草木や花、つた、つる、雑草などを意味します。美しく咲いて、優しく、柔軟性があり人から愛されます。慈愛に満ち柔和です。

 

現実をわきまえ、自分が置かれた環境の中で発展していこうとします。自分に適した環境であれば忍耐強く粘り強さを持ちます。また財務能力が発達しているので、コツコツとお金を蓄えます。

 

甲と違って、乙はたくさんあると重なり合って上へ伸びないことから、よくない作用となります。弱々しいように見えますが、甲の隣にあれば蔦(つた)として絡みつき、強さが出ます。甲と同様、生きていくためには根を必要とします。太陽や水が適度にあればきれいな花を咲かせますが、根が少ないと枯れたり、水が多ければ根腐れします。

 

丙(ひのえ)

「火行」の兄で「ひのえ」です。陽干です。太陽や自然の光、輝きなどを意味します。十干の中でも最強です。太陽が地上をあまねく照らすように心が広く、明るくエネルギッシュ、はつらつとしています。 情熱的で感情豊か。どこにいても主役になります。

 

丙は他の干に大きな影響を与えます。冬の太陽は寒さを和らげ、春は大地を温め木々を育てます。日は昇りますが沈むことから、気分にむらが出やすく竜頭蛇尾となる傾向があります。丙は太陽ですから、自然界にはたったひとつしかないので、命式中にふたつもみっつもあるのは良くないとされています。また根が無いと薄曇りの太陽となり力が弱ってしまいます。

 

丁(ひのと)

「火行」の弟で「ひのと」です。陰干です。人が作り出した灯り、ろうそくやたいまつ、コンロの火、イルミネーションなど地上の火を意味します。火を操ることができるようになってから人類は大きく発展しました。なので丁は、「知恵」「学問」を示します。

 

適度な大きさの炎は体を温め、また炎のゆらぎはこころを癒します。ですが大きくなれば一気に燃え広がり火災を引き起こしてしまいます。知的で礼儀正しく、一見クールで思慮深く、人に対しても細やかな心配りができる人です。しかし静かなのは見かけだけで、心の内は常に激しい情熱、気性の強さを秘めています。

 

燃料となる甲や乙がそばにあれば、大きなたいまつとなって暗い洞窟も昼間のように明るく照らすことができます。また戊や己などの土はかまどとなり、火が小さい時は大きくし、大きい時は小さく調節してくれるので、丁にとっては良い作用です。

 

戊(つちのえ)

「土行」の兄で「つちのえ」です。陽干です。そびえたつ大きな山や岩石、堤防の土、かまど、花瓶などを意味します。岩石のようにどっしりとして落ち着いており、おおらかな性格で楽天家です。多少頑固なところがあり、臨機応変には動きにくい性格ですが、何事も基礎を固めてからじっくりとマイペースに取り組む人です。

 

戊は、同種の土によって強められることがないけれど、乙や丁にとっては良い作用をするので、諸々を育て面倒見が良いタイプです。土は金を生みますが、乾燥している大地(燥土)からは生まれにくく、多少水気があった方が良いです。

 

己(つちのと)

「土行」の弟で「つちのと」です。陰干です。もともと湿った土である田んぼや畑、沼地、泥などを意味します。万物を育てるたい肥や土であり、善良で家庭的、穏やかな性質です。柔軟で理解が早く、器用にいろいろなことをこなしていける才能があり、勉強熱心で多才です。庶民的で親しみやすく保守的なので良妻賢母型です。

 

反面、水分を含みすぎるとどろどろとなって崩れやすく不安定で弱くなり、人に左右されやすくなります。きれいな水を泥で濁らせる作用もあります。柔らかさはより内面にいろんなものを含ませるので、より複雑さを増します。

 

庚(かのえ)

「金行」の兄で「かのえ」です。陽干です。鋼鉄や刀、斧、鉱石、鉄などの固い金属を意味しています。すぱっとよく切れる刀のように潔く、意思が強く物事に屈しない傾向です。潔癖で正義感強く負けず嫌い。でも義理人情には厚いタイプです。

 

庚と庚が並ぶと、刀に刀がぶつかることから好戦的となり、良くない作用です。鉄の塊はそのままでは粗野ですが、丁火によって錬成され、名刀となり優秀な働きをします。

 

辛(かのと)

「金行」の弟で「かのと」です。陰干です。宝石や珠玉、金・銀・プラチナなどのレアメタル、小刀、はさみなどの貴金属や小さな金属を意味します。繊細で傷つきやすいもろさを持っており精神的に苦労の多いタイプです。ですがとても繊細で敏感な感性を持っており、頭の回転が速いので何事にも要領が良くスマートで気が利きます。

気品があり魅力的で異性から人気があります。プライドが高く世間体を重んじ、見栄っ張りなところもあります。辛は己があると泥がついて汚れ輝きを失いますが、壬によってきれいに洗われます。辛によって乙は刈られてしまいますが、甲は固いので逆に辛はたたき割られてしまいます。丁によって焼かれてしまうとボロボロとなって輝きを失います。

 

壬(みずのえ)

「水行」の兄で「みずのえ」です。陽干です。海、河川、湖、滝、津波などを意味します。無限に水をたたえる大海原のように、楽観的でゆったりしています。清濁併せ呑む度量があります。全てのものを流れに巻き込むことから、包容力が半端なく外交的で世話好きです。

 

自由を好み束縛を嫌います。激しい川の流れのように、勢いに任せてしまうようなところもあります。雨が降り続くと河川は増水し、洪水を起こしてしまいます。また辛と出会うと、川の中できらきらと光輝く宝石となり、良い作用をします。

 

癸(みずのと)

「水行」の弟で「みずのと」です。陰干です。雨、露、霧、霜、雲などを意味します。しとしとと大地に降り注ぐ慈雨のように、穏やかで物静か、繊細です。真夏の乾いた田畑には恵みの雨となり、河川に降り続けば洪水を引き起こします。木々にとっては、日光とともに成長にかかせない養分です。

 

相生と相克について(編集中)

五行(木・火・土・金・水)はお互いに強めたり弱めたりといった相互関係を持っています。ある五行が他の五行を生み、力を強める関係を相生(そうじょう)といい、相手を攻撃して弱める関係を相剋(そうこく)と言います。

 

相生(そうしょう)

■木は燃えて火を生み

■火は燃えて灰となり土を生み

■土(山)からは貴金属が産出され

■金の表面には水滴がついて

■水は木を育てる

 

このような関係を相生(そうしょう)と言います。助けられた五行は力をもらい強くなり(「生」)、助けた五行は力を与えて(洩らされ)弱くなります。

相剋(そうこく)

■木は土の養分を奪い

■土は水の流れをせき止め濁し

■水は火を消し

■火は金を融かして弱め

■金は木を切り倒す

このような関係を相剋(そうこく)と言います。攻撃された五行は力が弱まりますが、攻撃した方の五行もエネルギーを使うので(分ける)弱まります。

干合について

「干合(かんごう)」とは、特定の十干がふたつ命式で隣同士になると起る特定の作用を言います。干合は命式で隣同士にならないと起きません(年干と日干、月干と時干、年干と時干では干合は起きない)。

 

命式内の十干と、毎年やってくる年運(2020年なら庚子、2021年なら辛丑など)の天干や、5年ごとにやってくる大運の天干とで干合が起ることもあります。干合には次の5つの組み合わせがあります。

 

■甲と己

■乙と庚

■丙と辛

■丁と壬

■戊と癸

 

よく見ると、すべて陽干(甲、丙、戊、庚、壬)と陰干(乙、丁、己、辛、癸)の組み合わせになっていて、さらに相剋の関係となっています。命式内で干合が起ると、その干合は一生解けることはありません。

 

行運(年運や大運)ではその期間だけ干合が起き、次の行運に入ると解けます。干合には3つの種類(変化干合、倍加干合、無作用干合)があります。

 

変化干合

干合する組み合わせのうち、その命式の月令によって干合が変化することがあります。

■甲と己
月令が土のとき、甲は戊に変化します。己はそのままです。

■乙と庚
月令が金のとき、乙は辛に変化します。庚はそのままです。

■丙と辛
月令が水のとき、丙は壬に、辛は癸に変化します。

■丁と壬
月令が木のとき、丁は乙に、壬は甲に変化します。

■戊と癸
月令が火のとき、戊は丙に、癸は丁に変化します。

時 日 月 年
癸 戊 戊 戊
亥 申 午 辰
月令(丁)

この場合、日干戊と時干癸が干合の組み合わせです。さらに月令が丁(火)ですから、変化干合します。

 

戊は丙に、癸は丁に変化しますので

時 日 月 年
丁 丙 戊 戊
亥 申 午 辰
月令(丁)

このような命式に変化します。命式内で変化干合が起ると、その変化は一生続きます。行運(年運や大運)で変化干合が起った場合は、その行運が続いている間は変化干合は続き、次の行運に入ると干合は解けます。

 

倍加干合

干合する組み合わせのうち、変化干合しない場合に、日干と月干、あるいは日干と時干が干合するとき、月干あるいは時干は日干に対して倍の作用を与えます。

時 日 月 年
丙 辛 戊 戊
申 丑 午 辰
月令(丁)

 

この場合、日干が辛で時干が丙で、干合します。月令は丁(火)なので変化干合はせず、時干丙が日干に対して2倍の強さで剋し弱める倍加干合になります。命式内で倍加干合が起ると、その変化は一生続きます。

 

行運(年運や大運)で倍加干合が起った場合は、その行運が続いている間は倍加干合は続き、次の行運に入ると干合は解けます。

 

無作用干合

干合する組み合わせのうち、年干と月干の間だけで起こります。月干と日干、日干と時干の間では起こりません。

 

年干と月干が干合をし、変化干合しなかった場合、どちらもその働きをなくして存在がなくなるものとされます。

時 日 月 年
壬 甲 癸 戊
申 戌 亥 辰
月令(壬)

 

この場合、年干戊と月干癸は干合の組み合わせです。月令は壬(水)ですから変化干合はせず、年干と月干の干合は無作用干合となり、一生の間年干戊と月干癸は作用することがありません。

 

十二支の種類と意味

十二支のお話が有名なので、それぞれ動物を意味していると思っている方が多いと思いますが、実際は動物とは関係なく、十二支はそれぞれ、植物が芽を出し実を結び、枯れて種を残すまでの象意を持っています。十二支はそれぞれ「根(ね)」を含み、地支としてその根が天干に力を与え支えています。

 

■子(ね)

月は12月、時間は23時~1時を表します。子に含まれる根は水です。子は「孕む(はらむ)」で、大地が種子を身ごもっているさまを表します。

 

■丑(うし)

月は1月、時間は1時~3時を表します。丑に含まれる根は土、水、金です。丑は「紐(ひも)」で、寒気が緩み根が動き始めるさまを表します。

 

■寅(とら)

月は2月、時間は3時~5時を表します。寅に含まれる根は木、火です。寅は「演べる(のべる)」で、大地から芽がまっすぐに伸びるさまを表します。

 

■卯(う)

月は3月、時間は5時~7時を表します。卯に含まれる根は木です。卯は「茂る(しげる)」で、草木が成長するさまを表します。

 

■辰(たつ)

月は4月、時間は7時~9時を表します。辰に含まれる根は土、木、水です。辰は「振う(ふるう)」で、伸長がいっそう盛んになるさまを表します。

 

■巳(み)

月は5月、時間は9時~11時を表します。巳に含まれる根は火、金です。巳は「起こる(おこる)」で、草木に変化が起こり始めるさまを表します。

 

■午(うま)

月は6月、時間は11時~13時を表します。午に含まれる根は火です。午は「忤う(さからう)」で、成長を止めてしまうさま(陰陽の転化)を表しています。

 

■未(ひつじ)

月は7月、時間は13時~15時を表します。未に含まれる根は土、火、木です。未は「未だ(いまだ)」で、枝葉は変わらずに茂っているさまを表しています。

 

■申(さる)

月は8月、時間は15時~17時を表します。申に含まれる根は金、水です。申は「伸びる(のびる)」で、欠伸(あくび)のことで草木もくつろぐさまを表しています。

 

■酉(とり)

月は9月、時間は17時~19時を表します。酉に含まれる根は金です。酉は「酉る(みのる)」で、種子が成熟するさまを表しています。

 

■戌(いぬ)

月は10月、時間は19時~21時を表します。戌に含まれる根は土、金、火です。戌は「滅ぶ(ほろぶ)」で、草木として生が尽きるさまを表しています。

 

■亥(い)

月は11月、時間は21時~23時を表します。亥に含まれる根は水、木です。亥は「核(さね)」で、陰陽が交わって種子を結ぶさまを表しています。

 

支合、冲について

支合について

命式において、隣り合う地支同士が仲良く結合して固まる作用のことを言います。支合したどちらの地支も、天干の根としての作用をしません。

 

■亥と寅

■子と丑

■卯と戌

■辰と酉

■巳と申

■午と未

の6つの組み合わせがあります。

 

命式中の地支と行運(年運や大運)の地支の間で起こることもあります。

時 日 月 年
乙 丙 癸 戊
未 寅 亥 辰
月令(壬)

 

この命式の場合、月支の亥と日支の寅が支合して、それぞれ天干の根(亥は水と木の根、寅は木と火の根)としての作用を失います。干合と違って、支合は行運によって解ける場合があります。

 

冲について

命式において、隣り合う地支同士がお互いに反発しあう仲の悪い作用のことを言います。冲したどちらの地支も、天干の根としての作用をしません。

 

時 日 月 年
乙 辛 癸 戊
未 巳 亥 辰
月令(壬)

この命式の場合、月支の亥と日支の巳が支合して、それぞれ天干の根(亥は水と木の根、巳は火と金の根)としての作用を失います。干合と違って、冲は行運によって解ける場合があります。

三方、三合について(編集中)

 

自己紹介
Ryu-jin(リュージン)

前向き人生脚本家】Ryu-jin(リュージン)

1973年(癸丑)生まれ。
二人の子どもの不登校をきっかけに中医学の考え方に興味を持つ。
中医学を学んでいるときに、中医学と親和性の高い中国式四柱推命と出会い現在に至る。
登録販売者として漢方薬を販売する傍ら、心理学も学ぶ。

適応指導教室で不登校の子どもたちと一緒に遊んだり
勉強するボランティアもしている。
中国式四柱推命にて不登校問題や親子関係などについても鑑定を行っている。

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