四柱推命と暦(こよみ)

中国式四柱推命
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四柱推命(しちゅうすいめい)を行う際に、必要な道具は「暦(こよみ)」です。四柱推命は、占いたい方の「生年月日時」を干支(えと。かんし)に置き換える作業を要します。生まれ年の干支、生まれ月の干支、生まれ日の干支、生まれ時刻の干支、以上、4つの干支(えと、かんし)が正確に出揃うことで、四柱推命占いに入っていく下準備が整います。

 

この4つの干支(えと)は「正確性」が求められます。4つの干支が正しく出てないと、「正しい四柱推命判断」はできないと言えます。その4つの干支を正確に出すために、「暦(こよみ)」は必要です。専門家の方は、「万年暦(まんねんれき)」という暦をよく用いてます。または、暦を見て干支を出すのが面倒な方は、「四柱推命ソフト」を用いて、4つの干支を出すこともあります。

 

「いつからいつまでが、この干支で、いつからがこの干支」という境目は、かなり厳格に定められています(分単位で。何時何分からこの干支で、何時何分からはこの干支という感じです)。その厳格な境目の算出方法としては、「太陽黄経(たいようこうけい)」に基づく二十四節気の考え方を用います。

四柱(しちゅう)とは。四柱推命の成り立ち

四柱推命では、生まれた年、月、日、時間にもとづいて人それぞれに固有の命式を持つと考えます。生れた年、月、日、時間にはそれぞれに干と支が割り当てられています。

 

例えば 2003年5月23日午前4時30分生まれの人は

時 日 月 年
庚 丙 丁 癸
寅 申 巳 未

このように表すことができます。

年の干支(年柱)は癸未(みずのと・ひつじ)
月の干支(月柱)は丁巳(ひのと・み)
日の干支(日柱)は丙申(ひのえ・さる)
時間の干支(時柱)は庚寅(つちのえ・とら)

 

この四つの柱の組み合わせ(命式と言います)で吉凶を占っていくわけです。だから、「四柱(しちゅう)」推命(すいめい)と言います。また、四柱推命の命式は八つの文字からなるので、四柱推命のことを「八字(はちじ)」と言ったりします。中国や台湾では八字(はちじ)の方がメジャーな呼び名なようです。

 

天干(てんかん)について 地支(ちし)について

上側にある癸、丁、丙、庚などは「天干(てんかん)」と言います。全部で10種類あるので十干と呼び、それぞれ木・火・土・金・水の属性を持っています。

 

下側にある未、巳、申、寅などは「地支(ちし)」と言い、全部で12種類あります。
ご存知、ね、うし、とら、、、、いぬ、い、の12のえとを漢字で表したものです。これを十二支と呼びます。地支もそれぞれ木・火・土・金・水の属性がありますが、木・火・土・金・水のうち1~3つの組み合わせで持っています。

 

占うにはこれら天干同士、地支同士、天干と地支との相互関係、力関係を読み解いていく必要があります。

 

10種類の天干(十干)と、12種類の地支(十二支)の組み合わせは全部で60あります。それぞれの年、月、日、時間によって順繰りに割り当てられていきます。

 

天干は、
甲(きのえ)→乙(きのと)→丙(ひのえ)→丁(ひのと)→戊(つちのえ)→己(つちのと)→庚(かのえ)→辛(かのと)→壬(みずのえ)→癸(みずのと)→
そして甲に戻ります。

 

地支は
子(ね)→丑(うし)→寅(とら)→卯(う)→辰(たつ)→巳(み)→午(うま)→未(ひつじ)申(さる)→酉(とり)→戌(いぬ)→亥(い)→
そして子に戻ります。

 

今年2020年の干支は「庚子」(かのえね)です。ですから来年は、庚の次の「辛」と、子の次の「丑(うし)」ですから「辛丑」という年になります。この組み合わせは60あるので、2080年にまた「庚子」が巡ることになります。

 

年だけでなく、月や日も、干支が順繰りに変わっていきます。2020年10月の月柱は「丙戌」ですから、2020年11月は「丁亥」となります。

 

日柱についても、2003年5月27日が「丙申」であれば、翌日の28日は・・・もうお分かりですね?

 

時間については2時間間隔で干支が決まっていますが、日干(日柱の天干)によってその干支は違います。正しくは、時柱の地支は時間によって決まっていますが、天干には日干によって違います。

 

地域によって時差があります。日本の標準時間は兵庫県明石市(東経135度)です。同じ時間に生まれても、場所によっては太陽黄経から算出する(後述)と数分ずれが生じます。生まれた場所・時間によっては命式を出す生年月日が変わってきますので、正しい命式を出すにはこの数分のずれも加味します。手計算でこれらを出すのは難しいので、専用ソフトを利用すると簡単です。

 

ちなみに、四柱推命では旧暦(きゅうれき)を使いますので、年が変わるのは1月1日ではなく、立春(多くは2月4日、年によって変わります)からとなります。ですから2003年1月30日生まれの人は年柱は「癸未」ではなく、前年の「壬午」となります。

 

また、それぞれの月の前半を節、後半を中と呼び、月の始まりを節入りと言います。新年と同じく、月の始まりも1日ではなく、この節入りの日となります。

 

四柱推命は太陽歴を用いる(太陽黄経)

太陽が1年で地球の周りを1周(360度回転)する(ように見える)その道筋を黄道(太陽黄経)と言います。春分を起点として0度とすると、1日で約1度ずつ動いていき、夏至は90度、秋分は180度、冬至は270度になります。太陽暦では、前述した月の始まりである節入りを太陽がある方向の角度で決めています。

 

・2月の節入り日時は315度(立春)

・3月の節入り日時は345度

(春分の日0度)

・4月の節入り日時は15度

・5月の節入り日時は45度(立夏)

・6月の節入り日時は75度

(夏至90度)

・7月の節入り日時は105度

・8月の節入り日時は135度(立秋)

・9月の節入り日時は165度

(秋分の日180度)

・10月の節入り日時は195度

・11月の節入り日時は225度(立冬)

・12月の節入り日時は255度

(冬至270度)

・1月の節入り日時は285度

となります。太陽暦とは、太陽の動きから季節と日にちを決めていますので、季節と日付が毎年きちんと合うことが特徴です。よって太陽暦を使用している四柱推命は季節をとても重視した占術とも言えます。

 

土用(どようについて)

季節の変わり目は「土用(どよう)」と呼ばれています。夏ではうなぎを食べる「土用の丑の日」が有名ですね。土用(どよう)は夏だけでなく、それぞれの季節にあります。

正しくは、立春(315度)・立夏(45度)・立秋(135度)・立冬(225度)の前、18日間を土用(どよう)と呼びます。よってそれぞれ18度前の297度・27度・117度・207度になる日から土用が始まります(土用入り)。

 

干支の組み合わせは60通りあります

干支の組み合わせは60あり、順繰りに巡るので、例えば同じ10月30日でも年によってその干支は変わることは前述しました。ただ変わらない部分があります。それはその月の地支と時間の地支です。

 

1年は12カ月あり、地支は12種類です。ですから、2月は寅、3月は卯、、、10月は戌、11月は亥、と月柱の地支だけは生まれ月によって決まっています。また1日は24時間で2時間で区切れば12支で表すことが出来ます。午後11時から午前1時なら子、午前1時から午前3時なら丑、・・・午後9時から午後11時なら亥と表せられます。

 

四柱推命と季節

四柱推命が季節を大切に考える占いであるということは前述しました。その季節について詳しく述べます。四柱推命は、陰陽五行説という考え方と深く関係があります。陰陽五行説とは古代の中国で確立された思想で、この世のすべては「陰と陽」の繰り返しと、「木・火・土・金・水」の五つの要素からなるというものです。四柱推命の十干はこれら「木・火・土・金・水」の五つの要素に分かれ、それぞれ陰と陽があります。

 

すなわち

甲(きのえ・木・陽)
乙(きのと・木・陰)
丙(ひのえ・火・陽)
丁(ひのと・火・陰)
戊(つちのえ・土・陽)
己(つちのと・土・陰)
庚(かのえ・金・陽)
辛(かのと・金・陰)
壬(みずのえ・水・陽)
癸(みずのと・水・陰)

 

五行説ではそれぞれの五行に当てはまる季節を、

木=春
火=夏
金=秋
水=冬
としています。

 

甲と乙は春、丙と丁は夏、庚と辛は秋、壬と癸は冬、四つある季節の変わり目にはそれぞれ土=土用、戊と己が入ります。

 

四つある土用ですが土を表す天干はふたつしかありませんね。春から夏の土用は戊、夏から秋の土用は己、秋から冬の土用は戊、冬から春の土用は己とそれぞれ半分ずつ2回に分かれています。

 

1年360日(360度の1度を1日とする)を十干で割ると、1つの干は約36日になります。
土用は春秋、夏冬でふたつに分けるので、1回の土用は18日になります(土用の項参照)。

 

1年のすべての季節を十干で表すことが出来ました。さて、季節を表すものが命式にもうひとつありました。月柱の地支は、そのまま12カ月を表すのでしたね。

春を表す地支は、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)

夏を表す地支は、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)

秋を表す地支は、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)

冬を表す地支は、亥(い)、子(ね)、丑(うし) です。

 

月令について

「月令」とはすなわち、その月に一番強い五行のことです。生まれた月の十二支によってあらかじめ決められています。また月柱の地支が表す五行が天干にも出ている場合、「月令を得ている」と言います。

 

以下、太陽黄経と月令、月支の関係をまとめました。月支「巳」のところを見てください。巳は月令がすべて丙です。月支「午」を見てください。午月の最初の6日間は月令は丙、その後は丁になります。同じく月支「未」は最初の12日間は月令丁ですが、その後は土用の己になります。

 

冒頭の例で

2003年5月23日午前4時30分生まれ

時 日 月 年
戊 丙 丁 癸
寅 申 巳 未

この方の場合は、月柱が巳ですから、月令は「丙」です。日干が「丙」で同じ「火」の属性ですから、この方の日干は「月令を得ている」と言えます。月干は「丁」ですが同じ「火」の属性なので、月干も月令を得ています。月令を得ている五行は力が強いと考えます。

 

この方は夏生まれであり、月令を得ている天干が2つあるので、火の力がとても強い命式を持っていると考えて良いでしょう。余談ですが、この方は夏で暑い命式なのですが、癸という雨を意味する天干を持っています。暑い夏の日に夕立が降って適度に空気を冷やしてくれるように、年干の癸は、この方の命式に良い働きをしてくれていると考えます。

 

このように、四柱推命では太陽黄経に基づいて季節を正確に把握し、推命をしていきます。

自己紹介
Ryu-jin(リュージン)

前向き人生脚本家】Ryu-jin(リュージン)

1973年(癸丑)生まれ。
二人の子どもの不登校をきっかけに中医学の考え方に興味を持つ。
中医学を学んでいるときに、中医学と親和性の高い中国式四柱推命と出会い現在に至る。
登録販売者として漢方薬を販売する傍ら、心理学も学ぶ。

適応指導教室で不登校の子どもたちと一緒に遊んだり
勉強するボランティア経験あり。
中国式四柱推命にて不登校問題や親子関係などについても鑑定を行っている。

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