先日、こんな見出しのYahooニュースを見ました。
(記事抜粋)米海洋大気庁(NOAA)の集計では、米沿岸部で2019年に報告された満潮時の水害は600件あまり。研究チームによると、2030年代の半ばにはこうした水害が1カ月かそれ以上繰り返される時期があったり、一部の都市を毎日または1日おきに襲ったりするようになるという。
原因のひとつは、潮の満ち引きに影響する月の動きだ。月の公転軌道は18.6年周期で変動し、周期のうち半分の期間は、潮の満ち引きが増幅されることが知られている。現在はこの時期に当たるが、増幅されても満潮で海水があふれることはめったにない。
ところが次の増幅期がめぐってくる30年代半ばになると、気候変動による海面上昇がさらに進んでいることが予想される。その結果、米国では地殻隆起が起きているアラスカ州を除き、本土の沿岸部全体とハワイ州、グアム島で水害が急増するだろうと、チームは警告する。
つい先日、日本でも熱海で土石流が発生し、多くの方がいまだ行方不明です。ヨーロッパでも、ドイツで洪水が発生し、多くの方が亡くなられているようです。ここ数年だけ見ていても、毎年のように台風による被害や水害が多く発生しているように思います。
そんな中のこのNASA発のニュースは、余計恐怖をあおられます。
さて、この災害予想は四柱推命でも出来るでしょうか?
水害予想を四柱推命で出来るか?
今後水害が起きそうな年はあるか?
2030年代の干支を調べてみました。
2030年 庚戌
2031年 辛亥
2032年 壬子
2033年 癸丑
2034年 甲寅
2035年 乙卯
2036年 丙辰
2037年 丁巳
2038年 戊午
2039年 己未
水が強そうな時期は、太線のこのあたりでしょうか。特に「壬子」の年は、壬が川や海など大きな水の塊を表しており、さらに子はもっとも水の強い地支です。水のパワーがかなり強い年と言えましょう。
ただ、記事では「2030年代半ば」と書いてありましたので、NASAの予想ではもう少し後(2035年前後?)のようですね。
NASAの報告は、月の軌道による海面上昇の時期に、地球温暖化による海の水位の上昇が加わり高潮被害や洪水など水害を引き起こすであろうという内容のようです。
記事によれば月の公転軌道は18.6年周期だそうですから、60年で1周期の干支とはあまりかかわりがないように思います。
それでは月の公転関係なく、今から70年前あたりに、水害が多い年があったでしょうか。
前回の壬子・癸丑年あたり、水害は多かったか?
それでは前回の壬子年・癸丑年あたりに水害が発生しているか見てみます。
世界と日本の歴史的な水害をwikipediaで調べてみました。
水害(wikipedia より)
<世界での洪水>
- 1824年 (甲申)ロシア、ネヴァ川の氾濫によりサンクトペテルブルク等で死者1万人
- 1887年 (丁亥) 中国、河南省で黄河の氾濫、死者90万人、600万人との説もある(1887年黄河洪水も参照)
- 1913年 (癸丑)ハンガリー・ドナウ川
- 1927年 (丁卯)アメリカ、ミシシッピ大洪水
- 1931年 (辛未)中国中部、1931年中国大洪水
- 1939年 (己卯)中国北部、死者50万人
- 1951年 (辛卯)中国東北部、死者4800人
- 1953年 (癸巳)オランダ・高潮、死者6000人
- 1955年 (乙未)インドと東パキスタン(現バングラデシュ)、ガンジス川河口で洪水、死者2000人
- 1963年 (癸卯)イタリア、バイオントダムに地すべりによる土砂が流入し、ダムがあふれて洪水発生、死者2000人(4000人?)
- 1969年 (己酉)中国、山東省で洪水、死者数十万人?
<日本での洪水>
- 1742年 (壬戌)戌の満水:死者2,800人以上
- 1885年 (乙酉) 淀川大洪水:浸水71,000戸、損壊15,000戸、流失1,600戸、被災27万人
- 1896年 (丙申) 横田切れ:床下・床上浸水43,600戸
- 1907年 (丁未) 明治40年の大水害(山梨県)
- 1910年 (庚戌)明治43年の大水害:死者・行方不明者900人を超える
- 1917年 (丁巳)大正6年の高潮災害:東京湾に高潮、東京府の溺死者500人以上
- 1934年 (甲戌)室戸台風:大阪湾に高潮、死者・行方不明者3066人(昭和の三大台風)
- 1938年 (戊寅)阪神大水害:死者600人を超える
- 1945年 (乙酉)枕崎台風:広島県中心に死者・行方不明者3000人を超える(昭和の三大台風)
- 1947年 (丁亥)カスリーン台風(台風4709号):利根川・荒川が決壊、死者・行方不明者1930人
- 1953年 (癸巳)
- 南紀豪雨(紀州大水害):死者・行方不明者1000人以上
- 南山城の大雨:死者290人、全半壊1658棟
- 昭和28年西日本水害は熊本を中心として死者・行方不明者1,001名
- 1957年 (丁酉)諫早豪雨:死者・行方不明者992人
- 1958年 (戊戌)狩野川台風:伊豆半島と東京付近に水害、死者・行方不明者1189人
- 1959年 (己亥)伊勢湾台風:伊勢湾に高潮、死者・行方不明者5098人(昭和の三大台風)
- 1961年 (辛丑)昭和36年梅雨前線豪雨(死者357人)
- 1967年 (丁未)昭和42年7月豪雨(死者・行方不明者369人)
- 1972年 (壬子)昭和47年7月豪雨(死者・行方不明者447人)
- 1982年 (壬戌)長崎大水害(長崎豪雨、死者・行方不明者299人)
- 2018年 (戊戌)西日本豪雨(平成最悪の水害、死者220人以上)
特に歴史的な洪水被害が1970年代に多かったという印象はありません。むしろやはり、2000年代に入ってからの方が多いように思います。近代的な治水が行われているはずの高度成長期以降にも多くの犠牲者が出ているというのは悲しいことですね。
それでは雨による洪水はどうでしょうか。降水量も見てみましょう。
前回の壬子・癸丑年あたり、降水量は多かったか?
日本の降水量の推移データを見てみます。
(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn_r.html より)
1970年初頭は、どちらかと言うと日本の降水量は今と同じか少ないくらいでしょうか。
世界で見てみるとどうでしょう。
世界の降水量を見てみても、1970年代初頭は山をなしてはいますが、2000年代と比較すると多くはありません。
水の強そうな干支とは関係なさそうですね。
では同じく水害をもたらす台風の数はどうでしょうか。
前回の壬子・癸丑年あたり、台風の数は多かったか?
発生した台風の数を気象庁のデータをもとにグラフを作ってみました。
字が小さくて見にくく恐縮なのですが、1950年から2020年までの台風の発生数の平均値を中心に、平均との差をグラフにしています。
最近台風が多いのではと思っていたのですが、グラフを見ると逆ですね。また1970年代に多かったかと言うと、少なくはないですがその前の1964~67年(甲辰~丁未)の方が多いように見えます。
しかし台風の数自体は減っているように見えても、先日NHK「ダーウィンが来た」で言ってました。近年、台風は強大化していると。
被害をもたらすのは台風の数ではなく、その強さですよね。関西でも数年前、超大型台風が直撃し、大きな被害が出ました(関西国際空港の連絡橋にタンカーが激突した、あの時です)。またその翌年、千葉県でゴルフ場の支柱が倒れて人家に被害が出たのも記憶に新しいです。台風は雨に加え、風の被害が大きいので怖いですね。
今後もこのままでいくとさらに災害が増えそうです。毎年十分な備えが必要となってくるでしょう。
四柱推命では水害の予測は出来そうにない
今回、様々なデータと突き合わせてみて、四柱推命では「水害の予測はできないのではないか」という結論に至りました。命術である以上、卜術のような占いは出来ないのでしょう。
近年、地球温暖化の影響は確かにあると感じています。四柱推命の歴史で考えると、現在のこのような温暖化の状況は考えも及ばなかったでしょうね。現代の自然環境に当てはめると、もしかすると新たな体系の四柱推命理論が出来上がるかもしれません。近いうちどなたかが解明するでしょうか、それはそれで楽しみではありますが、地球環境の変化によるものだと思うと怖い気もします。