四柱推命は季節を重視する占いですから、その季節ごとの環境(暖かい、寒い、乾燥している、湿っている)に命式は左右されます。そのいくつかをご紹介します。
なお、「子平推命」(小山真樹代著)を参照しています。
寒、暖、燥、湿について
寒(冬の寒い命式)
冬生まれ(亥、子、丑月)で丙のない癸の強い命式。
以下、水が忌神で強い場合に見られる特徴です。
家庭運・・・家族との不和、生まれ育ちの不運
健康運・・・身体的障害を持ちやすい、事故・けがをしやすい
性格・・・冷酷、クール、冷静、無常、風変り
価値観・・・普通のひととは異質な発想や行動をとる、自己の世界に閉じこもる
子ども運・・・子供が出来ない、授かってもその子による苦労や悩みがある
甲、乙、戊、己、庚、辛は寒を嫌います。
寒さを温めてくれる火の行運が吉となります。
暖(夏の熱い命式)
夏生まれ(巳、午、未月)で癸がない丙の強い命式。日干が丙である。
丙が命式中に2つも3つもあるのは「天無両日」、太陽が空に2つも3つもあることはおかしい、あり得ないことで異常であり、少々偏った性格や精神的、頭脳的障害が生じやすいと言われています。
以下、火が忌神で強い場合に見られる特徴です。
性格面・・・自己主張の強さと気性の荒さ、テンションの高さ、特別な行動力による対人不調和
健康面・・・身体的障害、病気、肺、心臓、血液の循環器系、精神病
家庭運・・・自己主張が理解されない場合ストレスとなり、気分のムラ、他人を見下す、言動の不一致などで家庭内でも孤立
戊、己、庚、辛は暖を嫌います。
熱さを和らげてくれる水の行運が吉です。
燥(夏、秋の乾いた命式)
命式中に、壬、癸、子、丑、辰、申、亥が入らない、水の全くない命式。
すべての生物には水が必要です。土台の土がパサパサで水気が全くないと生物を生み出す力がないため、子どもを授からない、後継者が絶えるなどと言われます。
以下、喜神水が全くない命式の特徴です。
性格面・・・短気、情緒がない、無味乾燥、落ち着きがない
行動面・・・気配りがない、言動が雑、マイペース、強引、熟慮しない、対人関係が悪い
人生全般・・・苦労が多い、周りの環境にも恵まれない
子供縁・・・子供が授からない、授かっても子育てがうまく行かない
燥を嫌う組み合わせ 戊ー丙、己ー丙、庚ー戊、辛ー戊
水の多くなる行運が吉となります。
※逆に乾燥していた方が良い干関係もあります。
燥を好む組み合わせ 丁ー甲、丁ー乙、丁ー戊、丁ー己
湿(春、秋の水分の多い湿った命式)
主に春月で、火が強くなく、忌神の癸の強い命式のこと。(冬は寒の命式となる)
以下、湿の強い命式の特徴です。
心身面・・・通常の人間より能力が劣り、そのハンディキャップを乗り越えて一般人と同等となるので生活の苦労がある。病気、身体障碍など
社会面・・・一般の人より要領が悪いため、職業から収入を得る場合に希望通りにいかない
苦命・・・燥の命と同様に人生に苦労が多い
湿を嫌う組み合わせ
甲ー癸、乙ー癸、戊ー癸、己ー癸、庚ー癸、辛ー癸、庚ー己、辛ー癸
忌神水が強いと、草木は根腐れし、土砂崩れを起こし、金属はさび付かせ、宝石には泥が付きやすくなります。
干関係の組み合わせによる吉凶
たくさんあって一度に覚えるのは大変ですが、繰り返し命式を見ているとなんとなく分かってきます。余談ですが、こういう時、漢字が分かる日本人で良かったと思いますね。
「木春喜陽夏喜雨」
春月生の甲は太陽丙を喜び、夏月生の甲は雨を喜ぶ
→春はすくすくと植物が育つように太陽の光を求める。夏は暑いので、夕立のようにさっと冷ましてくれる雨を喜ぶ。
「秋須砍(かん)伐冬作薪」
秋月生の甲はすべからく庚斧で切り、冬は薪を作ること
→秋の木は斧で切って薪にし、冬の寒さに備える
「草花冬春喜陽射」「夏秋喜潤甘露津」
冬春月生の乙は太陽の日差しを喜び、夏秋生の乙は潤い(壬)を喜び甘露(癸)を喜ぶ
→甲と同じく、乙も春は太陽の光を、夏は水気を喜びます。甲と違って乙は壬との相性もよく、湖面に咲く水連の花と例えられます。
「太陽終年喜双映」
太陽丙は一年中湖海(壬)に自分の姿が映えるのを喜ぶ
→「江暉双映」丙壬の組み合わせは頭脳明晰と言われる
「火炎終年喜焼林」
火炎(丁)は一年中燃える材料(甲)があることを喜ぶ
→「木火通明」天下にその名を知らしめる、人脈・資質を持つと言われる
「岩石壌土同草花」
→戊・己は乙と同様、冬と春は太陽の暖かさを必要とし夏と秋には水分の潤いが必要。
暖、湿が適度になければ、土からは何も生み出せない。
「鋼鉄終年喜煉勤」
庚は一年中強い丁火で錬金されることが望ましい。丙ではじわじわと曲りくねり使い物にならない。
「珠玉終年喜流洗」
辛は季節関係なく一年中、流水(壬)に洗われることを喜ぶ。美の代名詞(「珠玉陶洗」)。ただし壬は冷たすぎないのが良い。温水が理想。
「只恐溶解不慴淋」
辛にとって怖いのは、丁火に焼かれて身が溶かされてしまうこと。壬によって濡れることは恐れない。
「流水春冬喜遍照 夏秋喜源助喜淫」
流水(壬)は春、冬は太陽に隅々まで照らされることを喜び(江暉双映)、夏と秋は自分を生む源の庚の助けを喜び、雨水(癸)の多さを喜ぶ。(夏涸れを恐れる)
「雨春喜陽夏喜助」
雨(癸)は春には太陽の光を喜び、夏には雨の仲間の助けを喜ぶ。
→春の雨は多いと「湿」となる。丙で湿気を取り除く。夏は逆に乾燥によって蒸発することを仲間と共に防ぐ。
「秋喜珠玉慈母親」
秋には珠玉(辛)を喜び印綬(母)を慈しむ。
→秋の辛は月令を得ているので癸で洗ってもサビは生じない。
「冬天焼來茶止渇」
冬の癸は焼(丁)によってお茶を沸かして飲み喉の乾きを止める。
→冬は冷たい水を温めてくれる。冬は月令を得ているので丁によっても蒸発しつくされることはない。