陰陽五行では、木・火・土・金・水に対応した5つの〇〇というのがたくさんあるのですが、【五常】というカテゴリがあります。
※中医学での五行はこちらを参照
中医学と中国式四柱推命
中医学と中国式四柱推命 中医学の歴史 中国伝統医学(中医学)の成立は、紀元前400年~200年頃とも言われ、2000年以上の歴史を持っています。 中国は国土が広く、南は温暖湿潤、西は乾燥、北は寒く、東は海のそばで温かいいといった各...
五常とは
五常とは、儒教に於いて人の守るべき五つの恒常不変の真理、だそうです。
つまり、仁・義・礼・智・信を意味しているのですが、それを五行に当てはめると以下のようになります。
木…仁 思いやりの心を持ち慈悲心で万人を愛する
火…礼 社会活動を円滑にするため仁の行動ができる
土…信 友情に厚く言明を違えない、誠実
金…義 利欲にとらわれずなすべきことをする
水…智 道理をよく知り得ている
なので、命式内でこれら五行のうち強い部分があると、その性質がよく表れていると考えます。皆さんはどうでしょうか。あてはまりますか??
伊達政宗公「五常訓」
仙台の名君、伊達政宗公の語った言葉に「五常訓」というものがあるそうです。
有名なのでご存じな方も多いかな。
仁に過ぎれば弱くなる
義に過ぎれば固くなる
礼に過ぎれば諂(へつら)いとなる
智に過ぎればうそをつく
信に過ぎれば損をする
何事も行き過ぎないこと、なんでしょうね。
『壬生義士伝』(浅田次郎)より
壬生義士伝は、私の大好きな小説のひとつですが、その一節に以下のセリフがあります。
「…誠には誠を以って応えねばならぬ。仁とはそういうものであろう」
最初に読んだ時には難しくてよくわからなかったのですが「真心には真心で返す、それが思いやり・愛である」ということでしょうか。
孔子の孫である子思の編纂した『中庸』には
「至誠息(や)むことなし」(真心には休息というものはない、真心を持って生涯を生きなさい)
「誠は天の道なり。これを誠にするは人の道なり。」
とあります。
誠は五常にはありませんが、仁や礼と密接に関係していることばですね。