私が四柱推命を勉強しようと思ったきっかけは、二人の子どもの不登校でした。
中学校で不登校になった息子の話
息子は中学校1年生の2学期から3年生まで、娘は小学校5年生の11月から3月まで、登校はしても週の半分午後からとか部活だけ、あとはほとんどおうち生活でした。息子は現在通信制高校の2年生、サポート校に通いながら大学受験を目指しています。
娘は中学校に上がり、時々休むことがあっても長期に休むことはなくなっています。今日はそのことを少しお話させてください。
息子初めての挫折は、母親の私が用意した
息子(2003年癸未生まれ)は小さい頃から少々扱いにくい子でした。私は当時会社員をしていて、息子と娘を保育所に預けて働きながら、子育てをしていました。
「ほめて育てましょう」と誰からも言われるので、子どものことをたくさんほめたいのはやまやまなのですが、どうしても「できないこと」に目が行ってしまい、また自分の時間というのを子育てに費やさなければいけないことに常にイライラしていました。
特に息子は小学校へあがってから、要領も良くなく、言うことはきかないし、やんちゃでトラブルを起こしたり、先生から家に電話がかかってくることも多く、私自身とても参っていました。小4から塾へ行かせることにしたのは、特別勉強で困っていたわけではないけれど、「中高一貫校へ行ってほしい」という私の思いからでした。
息子自身は別に受験をしたいわけではなかったので当然勉強には身が入らず、塾の先生からも呼び出しがあったりで余計イライラしていました(笑)。自分で自分の首を絞めていたようなものですね。何度か「塾をやめたい」「みんなと同じ地元の中学へ行きたい」と息子から言われたのを、なんとか説得して受験までさせました。
今思うと、子どもの意思が伴っていない中学受験は失敗するのは当たり前でした。彼の人生で初めての挫折は、親の私が用意したようなものでした。
「起立性調節障害」から不登校に
それでも中学校へ上がるころになると、勉強も部活もとてもがんばるようになりました。希望通り地元の中学へ行くことになり、私は息子はきっと楽しんで中学校生活を送っているだろうと思いました。中学受験は失敗したけれど、高校受験で取り返せるくらいは勉強も頑張っているようにその時は思っていました。
部活はテニス部で真っ黒に日焼けして、土日も練習試合へ参加したり、先輩と組ませてもらってこのままいけば1年生ながらレギュラーにもなれるかも、というくらいに頑張っていました。中学最初の夏休みも、宿題や塾、部活、友達との遊びに毎日充実しているようでした。2学期前日まで、本当に普通に、元気に過ごしていたと思います。私は何も気づきませんでした。
8月某日、2学期初日の朝5時過ぎ、息子が真っ青な顔で私の寝室へやって来ました。
「ものすごく頭が痛い」
えー、今日から2学期始まるのに、冷房で冷えて風邪でも引いたのかなと、その時はそのくらいしか考えていませんでした。頭痛薬飲んでおいて、頭痛治ったら学校へ行きなさいよ~と軽く言って私は仕事へ。でも午後になっても治まりませんでした。そして翌日も、翌々日も頭痛が治らない。
これはおかしい・・・もしかして、不登校かもしれない。
そうは思ったものの、1学期の様子と不登校がどうしても結びつかず、受け入れられませんでした。
「学校でなにかあったのか」「宿題が終わらなかったので行きにくいのか」「友人からいじめられたりしているのか」
そんな「なぜ学校へ行けないのか」の理由を息子に問いただすも、どれも違うと言う。
「蓄膿症じゃない?」と友人にアドバイスされたので耳鼻科へ連れて行ったときに「思春期の子の頭痛に良く効く漢方薬があるよ」と医師に言われ、その時に「起立性調節障害」という言葉が頭に浮かびました。
数年前にニュースで見て「起立性調節障害」という病気があるということは知識としてはありました。思春期の成長期に自律神経のバランスが崩れ、体調不良を起こし、朝起きられない、午後から調子が良くなるので「サボリ」と言われるので辛い、その程度でしたが、まさか自分の子どもの身に起こるとは。。。中高生でも小児科を受診して良いと聞いていたので、近所にある市民病院の小児科へ行きました。
問診票の「立ちくらみやめまいを起こしやすいか」「立っていると気分が悪くなるか」「階段を登ったりちょっと走ったりすると胸がどきどきしたり息切れするか」「よく頭が痛くなるか」などの項目は、ほとんど当てはまりました。
また血圧の試験ではずっと立っていることができず試験を中断しました。血圧が下がることはなかったけれど脈拍数がとても高くなりました。
通常、体位の変化(立ち上がる、起き上がるなど)によって血圧が下がってしまうのを、自律神経が血管を収縮させたり心拍を上げるなどして調節しています。その調節がうまくできなくなり、立ち上がった時やずっと立っているときに血圧が下がり、脳への血流が減ってめまいや失神をおこすのが「起立性調節障害」です。
原因ははっきりとは分かっていませんが、成長期に多く見られることから急な体の成長に体の機能が追い付いていないということ、また多くはストレスからの自律神経の失調であると言われています。中医学では「ふくろう病」と言われ、脾胃(消化吸収)の失調による水湿が頭痛やめまいを起こすと言います。
息子はやはり「起立性調節障害」と診断され、それからかなり長い間この頭痛と強い倦怠感に悩まされることになりました。最初は無理をして学校へ10時頃登校していたのですが、それもそうは続かず、結局午前中はベッドで過ごし、15時頃から登校、部活が出来るときは参加して夕方帰宅という生活を中学校3年生まで送っていました。
中国式四柱推命で見えた息子の未来
月に1度、息子を連れて通院する傍ら、当時の私は本当に藁にもすがる思いで、「子どもはいつ学校へ行けるようになるのか」「どうすれば体調がよくなるのか」それを教えてくれるモノを探していました。不登校に関する書物やブログを読み漁り、漢方薬を試したり、またタロットで見てもらったり、四柱推命でも見てもらったり、少々怪しげな「お告げ」をしてくれるおじいさんがいると聞きつけてはその方のところへ行ってみたり。
ですが、タロットもおじいさんも、ついでに言えば四柱推命(中国式ではありませんでした)も、息子の体調がよくなる時期というのは今思うと当たっていませんでした。
ただ、四柱推命に関しては、私自身や息子の性格を結構言い当てていたので、これはなかなかスゴイ占術だなと思って勉強してみようと思ったのです。当時、漢方薬局に勤めていて、そこの先生が四柱推命を見れたこともきっかけのひとつでした。(中国式四柱推命と中医学は考え方がシンクロする部分が多いです)。
縁あって中国式四柱推命と出会い、学んでいくうちに、息子がなぜこの病気になったのか、なぜ今辛い思いをしているのか、命式から見えてくるものがありました。息子が型にはめられることを嫌うこと、息子の運気の悪い時期に塾へ行くようにストレスをかけたこと、身弱がより強まる時期に発症していること等・・・
でも中国式四柱推命では今年2020年から調子は上がる、と見えました。四柱推命を勉強するまで、息子を病気にさせ不登校にしたのは母親である自分だとずっと責めていました。もう一度息子を産むことが出来たら、二度と同じ間違いはしないと思いました。でもそれはかなわないから、とても苦しかった。
中国式四柱推命を学んでみて良かったのは、誤解を恐れず言うならば、ひとつは「運気のせい」にしてしまえるということです。同じような子育てをしてもみんながみんな病気になるわけではありません。「運気が悪かったから」なんだと思うことで、気は楽になります。そしてもうひとつは「いつ頃から運気が良くなるか」というのも分かるので「この状態はいつまでも続かない」「きっとよくなる日が来る」と希望を持つことができることです。
ズバリ、今年は頭痛に悩まされる頻度が激減し、以前は昼近くまでベッドで過ごしていたのに、自分で朝起きてバイトへ行けるまでになりました。バイトで貯めたお金で旅行へも行っていました。いつも青い顔をして無理して学校へ部活だけ行っていたころが嘘のように、活動的になりました。
真っ暗なトンネルの中を歩いているようだ
子どもが不登校になり、親も子も、真っ暗な出口の見えないトンネルの中を歩いている気分になります。いつまで続くのか。このまま歩き続けて出口は本当にあるのか。いつ終わるのか見えないことほど苦しいことはなかった。他の不登校の子どもを持つお母さん方も、同じようなことを皆さん口にされていました。
「学校に行けずにこのままでこの子はどうなってしまうんだろう」
「勉強が全くできていない、受験や進学できるのか。高校は?大学は??」
「将来引きこもりになってしまうのだろうか」
私がトンネルの出口を見つけたきっかけは、スクールカウンセラーさんとの出会い、通信制高校との出会い、そして中国式四柱推命との出会いでした。息子はある資格を取りたいため、大学受験を目指していますが、そのきっかけがスクールカウンセラーさんでした。私もカウンセリングを受けていましたが、日々子どもと向き合う上で必要であろうことを、教えてくれたのではなく、気づくように導いてくれたと思っています。
また今の成績や体調では思うような全日制高校へは行けないだろうと思っていましたが、思い切って通信制高校のことを調べてみたら、思っていたよりずっと充実しているし勉強もできることが分かりました。なおかつこれから運気もよくなると分かっていたので、私自身にこころの余裕ができ、結果今まで相当ぎくしゃくしていた親子関係も、かなり改善されることになりました。
起立性調節障害自体、成長に伴いほとんどが改善する病気ではあります。それも大いに関係はしているでしょうが、それでもこれらの理由含めて、改めて中国式四柱推命はすごいと思います。
息子に続いて娘も不登校
娘は兄が不登校になって1年後、突然「学校へ行きたくない」「ねむい、だるい」などと言って学校を休むようになりました。
兄と妹ダブルで不登校。
どれだけダメ母なんだと自虐的に笑ったり情けなくて涙が出たり、この頃は自分のメンタルも最悪でした。娘は頭痛などの身体的な症状はなかったのですが、起立性調節障害の検査をしたところ血圧の不安定さはあるとのことで、しばらく息子と同じ投薬治療や心理室にも通っていました。
学校は月に数日は行きましたが、結局5年生の最後まではほとんどおうち生活でした。家にいる間はとても元気で、図書館で本を借りて読んだり、絵を描いたりしてのんびり過ごしていました。当時の担任の先生が「家でゆっくり」を推奨してくれたのもあって、勉強のことも多少は心配したのですが、それよりも母子の時間を大事にしようと娘と一緒に犬の散歩を毎日したり、イベントやカフェに行ったり娘と交流する時間を増やしました。
少し息子に向けすぎていた目を娘にもう少し向けると、6年生になったら自然と不登校は解決していきました。娘の命式は火が喜神なので、水が強い時期は体調が思わしくありません。中学に入ってからも、体調が悪くなって休む時もあります。そしておそらく来年は、中国式四柱推命で見たところ、娘にとって結構しんどい時期になりそうです。
出来るだけ体調を悪くしないような食事・栄養に気を付ける、娘を追い詰めるようなことはしない・言わない、疲れやすいので休養を多めにとらせるようにするなど、今から心づもりをしています。来年は高校受験なのですが、あまりプレッシャーをかけず、背伸びもさせず、彼女の希望するところを応援しようと思っています。
四柱推命で見ていなければ、もしかしたら無理をさせていたかもしれません。その結果体調をさらに悪化させていたかもしれません。転ばぬ先の杖として、中国式四柱推命は役に立っています。
不登校は壮大なる反抗期
不登校になるお子さんは、強くて優しいお子さんです。決して弱くてわがままなんじゃありません。反抗期って、一般にはむしゃくしゃして親に反発して口答えしたり壁に穴を開けたり、激しい子だと家出をしたり暴力的になったり、だいたいが自分のエネルギーが外へ向かう子が多いですよね。
でも不登校というのは、子ども自身の内側へ向かうエネルギーの結果だと思うんです。子どもが学校や世の中の理不尽さだったり、親(大人)の矛盾、世間の汚さなんかが見えてきた時、自分自身でなんとか解決しようとする強さゆえ、親を傷つけることをためらう優しさゆえに、外へぶつけずに自分の中だけで処理をしようとしてしまう。
その処理に使うエネルギーが多すぎて、学校へ行くエネルギーがなくなっちゃったんでしょうね。私は息子の不登校時代を『壮大なる反抗期』と呼んでいます。それこそ家族や親戚、ご近所(ご心配いただいていました)、学校を巻き込んでの一大スペクタクル反抗期でした。
こんな反抗期が出来るなんてただものじゃないなー、なんて、親バカですね。もうひとつ、不登校の子は大人びている子が多い気がします。それだけ周りより早くにいろんなものが見えていて、長い間自分の中で戦っていたと思われます。子どもが学校にアレルギーが起る”事件”を体験している場合も多くあります(先生との不和、友人トラブル、勉強や競争が辛いetc.)。
しばらく休めば回復できる子もいますが、長いこと戦っていたり、アレルギーを起こしている子は一度崩れるとなかなか回復できません。それから親の対応も大事です。親の対応についてはまた改めて別記事で書こうと思いますが、とにかく子どもを休ませること、学校をイメージさせることから距離を置くこと、これが大事です。
四柱推命と不登校
残念ながら、四柱推命で不登校を『治す』ことはできません。
(そもそも不登校は「治る」ものなのかどうか、という議論は今は横へ置いておきます。学校へ行く=普通、という考え方をしている限り、本人も保護者も辛いです)
ですが不登校が解決しそうな時期というのは、息子について分かったように、命式からだいたい分かります。勉強や進学について、すごく気になったり焦ったりするのは分かります。でも、親はつとめてゆったりと子どもを見守るスタンスでお願いします。また、その子の持つ性格の傾向というものもだいたい分かります。
例えば、子どもは型にはめられるのが苦手で嫌いなのに、親が世間一般で言われる”良い子”に育てようとすれば、どうしても親子関係に不和が出てきます。不登校の子どもにとって親は自分を外敵(学校や周りの目)から守ってくれる最後の砦です。ですから親と子の関係は良いにこしたことはありません。子どもの性質や傾向を理解し、親が子どもを信用することで、子どもも親に心を開きます。
私は息子のことを、怠け者で集中力がなくてちっとも優しくないと思っていました。けれど本当の彼は、優しくて、知的で、好きなことならいくらでも集中できる力を持っていました(その代わりやりたくないことは、とことんやりたくないのです)。
よっぽど生まれつき運気が良くない方以外は、かならず人生に転機はやってきます。それは中国式四柱推命の理論を知っていれば自明の理なんです。そのことを不登校で悩んでいる皆さんにお伝えしたい、私のこの経験をぜひ今不登校に悩む方や保護者の方に役立ててもらいたい、と思いながら鑑定を行っています。