不登校はさなぎの時代

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部屋に閉じこもっていたり不登校の子どもをお持ちで、辛い思いをされているお母さんは読んでみてください。ものは考えよう、不登校や引きこもりのイメージが少し変わると思います。

 

子どもが閉じこもっていても、なんの心配もいらないですよ、というお話です。

昆虫の「さなぎ」とは

昆虫にもタイプがある

さて「昆虫」とひとくちに言っても、子どもと大人と同じ形態をしているバッタやカマキリみたいなものもあれば、チョウのように大人と子どもでは形態から食べ物まで何から何までガラっと変わってしまう種類もあります。まるで別の生き物のようになります。

 

さて「さなぎ」は皆様ご存知でしょう。

 

チョウやカブトムシが、幼虫(こども)から成虫(大人)になるときに一定期間過ごす形態のことです。

 

イモムシのような幼虫も何度か脱皮を繰り返して少しずつ大きくなるのですが、幼虫最後の脱皮を行うとさなぎとなり、木の枝や土の中でじっと動かなくなります。この時期を経て、ある日殻を破って成虫が出てきます。もぞもぞと地を這ってしか動けなかったイモムシが、ヒラヒラと舞うチョウや、カブトムシのような力強い甲虫になるのですから、まるで魔法のような変化です。

 

さなぎの中で起こっていること

さて、その昆虫のさなぎの中では、いったい何が起こっているかご存知ですか?

 

ご存じない方は、ショックかもしれません。

 

実は、あの”さなぎ”の中では、イモムシだった体は解体されてドロドロに溶け、新たに大人の体を一から作り直しているのだそうです。

 

生まれ変わる、というのは、決しておおげさな話ではなく、昆虫にとっては真実なのです。

 

いったい全体、なぜそのような仕組みになったのかは、地球という大自然での、何億年という進化の過程で決まって来たことなので容易に想像もつきませんが、、、

 

※昆虫に興味のある方のみ、お読みください。

ある説によれば、バッタやカマキリのような不完全変態(幼虫から成虫まで連続した成長をし、さなぎの時代がない)より、ハチやアリ、チョウやカブトムシのような完全変態(幼虫はさなぎを経て成虫となる)する昆虫の方が、進化しているのだとか。特にハチやアリなど社会生活をする昆虫の幼虫は、巣の中で待っていれば「育児係」の成虫がエサを運んできてくれます。幼虫は自力でエサを取る必要がなく、そのため素早く動き回る足や、良く見える目がいらない(成虫の持つ複眼と比較し、完全変態する幼虫の目は単眼という簡単な構造の目しか持たない。不完全変態する昆虫は幼虫のうちから複眼を持つ)ため、今のような幼虫の形態になった、ということらしいです。イモムシ時代は進化の証、ということでしょうか。

(http://yago-fusigi.blogspot.com/2015/05/blog-post_28.html より)

 

さなぎの中で子どもは大人へ

たとえばバッタのように、生まれた時からほぼ同じ姿で、少しずつ脱皮をしていって、見た目だけでははっきりと「大人かな、子どもかな」と分かりにくいものもあれば、チョウのように、イモムシは子ども、羽が生えたら大人、とはっきりわかるものがある。

 

人間のこころの成長も同じで、バッタタイプとチョウタイプがあるように思います。

 

思春期を経て、こころも子どもから大人に変化していきますが(もちろん思春期は体つきも変化の大きい時期ですが、チョウほどではありません)、この変化をしていくときに、少しずつ変化を自分でも受け入れながら、スモールステップで成長するのがバッタタイプとすれば、

 

一定期間深く考えたり閉じこもったりして、自分が変わっていく様を他人には見せないので、成長が一気にステップアップするように見えるのがチョウタイプ、と言えるのではないかと思います。

 

その、チョウタイプの最たるものが、不登校の子どもたちのように思います。

 

不登校は「さなぎ時代」

チョウもバッタも素晴らしい

最初に言っておきますが、バッタタイプとチョウタイプ、どちらが良いとか悪いとかということではありません。いろんな子が人間の世界にもいるということ。だから、自分の子どもがどっちだって、結局成長していることには違いないのですから、素晴らしいことなんです。

 

チョウタイプはさなぎ時代にこころを立て直す

さて、チョウタイプの子どもは、こころの成長のためにある時期世界から隔離される必要があります。それがさなぎ時代です。世界から自分自身を隔離して自分のこころの立て直しをします。隔離がなければ立て直しが出来ないのですから、バッタさんと比べれば少し不器用なところがあるのかもしれませんね。ただ不器用とは、慎重であり、粘り強く徹底していることの裏返し。決して悪いことではありません。

 

たとえばいじめがあって学校へ行けなくなった子は、いじめのない自分だけの世界でこころの傷を治していきます。いじめのない世界でなければ傷を治すことはできません。昼夜逆転やゲームに逃げるのもそのひとつ。自分を辛くする世界から、自分で距離を置いているのです。傷が治るまではじっと引きこもっています。これがさなぎ状態と言えるでしょう。

 

しばらくして傷が癒されてくれば、いじめについての自分なりの考察ができるようになります。いじめは本当に辛い経験ですが、その経験を通して人付き合いの仕方や自分のこころを守る術を習得します。また外の世界で生きていけるこころの強さを手に入れます。

 

さなぎの中で準備が整ったら、自分でさなぎの殻を破って出てきます。

さなぎから出てきた子は以前とは違う

だから、さなぎから出てきた子は、以前と同じではありません。これまでより一回りも二回りも成長しているのです。優しくて頼りなくて繊細だった(ように見えた)子どもが、チョウになると一気に力強く空を舞いあがり、その美しさを見せてくれるようになります。

 

そうなるためにも、さなぎの時期が必要で大事なのです。

 

チョウの観察をしたことがある方なら経験があるかもしれません。チョウのさなぎはあまり触らない方が良いのです。いじくりまわすと羽化できず死んでしまうことがあります。

 

さなぎの時期は、今までの子どもの価値観が一度瓦解して、それをまた新たに作り直している時です。このような大事な時期に、外からさなぎの殻に傷をつけてしまうと、その分また傷を治すのに時間がかかります。さなぎ時代の傷が元で、せっかくの美しい羽に傷がつくだけでなく、もしかすると命にかかわることになるかもしれません。

 

さなぎ時代の親の子どもへの対応は

子どもがさなぎの時期には、親はそっと見守る程度にして、大事な大事なさなぎを外からいじくらないでほしいのです。

 

ただし子どもは勝手にチョウになるからといって放っておいていいと言うものでもありません。さなぎを傷つけようとする外敵は、親が追い払ってあげる必要があるのです。外敵とは、まだチョウになっていないのにさなぎから引っ張り出そうとする存在(学校や先生、あるいは親戚、子どもに辛さを与える環境すべて。親自身であることも)のことです。

 

学校の先生は、不登校の子どもを登校させるのが仕事です。だから電話で連絡をしたり家庭訪問をしてくれます。それは仕事とはいえ大変時間の取られることですし、大多数の子どもが過ごす学校から不登校の子どもが孤立しないように考えてくださっているわけですから、とてもありがたいことです。

 

ただ、「先生」は子どもに「学校」を思い出させる存在には違いありません。子どもが学校に関するなんらかのことが原因で不登校になっているとしたら、それはさなぎをいじくる行動となります。一定期間でいいので、子どもを学校を思い出させるもの(友人、先生、制服、勉強など)から遠ざけた方が、不登校解決への近道だったりします。これには親も忍耐が必要です。つい「今日は学校へ行けそう?」なんて聞いてしまいがちですから。「学校へは行ってはいけません」「勉強もしてはいけない」と言う勇気を親も持たなければいけないです。とても辛いですね。

 

でもそうして忍耐強く待っていれば、必ず大人になったチョウが自分から出てきて、その美しい羽を見せてくれます。その時を、どうかじっくりと、楽しみに待っていてください。

さなぎ(不登校)時代を四柱推命でみる

これまで不登校の方を鑑定してきた中で見られたパターンを解説します。

従格のお子さん

従格で力強い命式をお持ちで、大運は喜神だけれどたまたま年運で忌神運が訪れたそのタイミングで不登校になったお子さんがいます。

 

そのまま待っていればまた喜神運が来たときには何事もなかったかのように調子を取り戻すと思います。従格の強さもあり、放っておいてもそのうち自分自身で道を切り開いていかれるでしょう。「いったいあの時はなんだったんだろう?」と思えるほど、その時期を過ぎればひとりでどんどん歩めて行けるでしょう。

 

ただし、従格であれば力強い運勢と引き換えに、定期的にやってくる忌神運の時期は要注意となります。その時期を気を付けて過ごせば、かなり将来楽しみなお子さんとなるのではないでしょうか。

 

忌神運の続く内格のお子さん

不登校・引きこもりが長い子は、大運、年運を見てみるとやはり忌神運が続いている方のように思います。

 

忌神運が今後もしばらく続くので、すぐにも調子が良い方へ変わる、とは言いにくいのですが、忌神運が続くほど喜神運が来た時の変化は大きく感じるものなので、前述したように「さなぎ」時代を家族みんなで大切に過ごして、羽化するその日を待っていてほしいと思います。

 

よい運気が例えば10年後であったとしても、その10年がずっと引きこもりが続くという訳でもありません。10年の間に子どもも親も成長します。運気の良い10年後に花開かせるために、親として出来ることは何かを考え、実行できる猶予期間でもあります。

 

子どもが羽化したときにキレイな羽を持たせれるかどうか、親御さんしだいでもあります。

せっかくお子さんが不登校になったのですから!どうせなら美しい羽を見てみたいと思いませんか??

 

(私の息子は、「せっかく不登校になったのだから、その経験を活かしたい」と言いました。すごいですよねー、わたしなら「しかたなく不登校になったけど・・・」としか言えません(笑))

 

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自己紹介
Ryu-jin(リュージン)

前向き人生脚本家】Ryu-jin(リュージン)

1973年(癸丑)生まれ。
二人の子どもの不登校をきっかけに中医学の考え方に興味を持つ。
中医学を学んでいるときに、中医学と親和性の高い中国式四柱推命と出会い現在に至る。
登録販売者として漢方薬を販売する傍ら、心理学も学ぶ。

適応指導教室で不登校の子どもたちと一緒に遊んだり
勉強するボランティアもしている。
中国式四柱推命にて不登校問題や親子関係などについても鑑定を行っている。

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